設定上レムリア被検体達は適合値と成績値で受ける待遇も権力も明確に違う彼らだけの社会を形成してることになるんだけど、ラーヴァの立ち位置は1位のメノウへ下剋上を狙う暴力的でワガママ、己のテリトリーで数多の下位を従える暴君ってところになる。
何故彼がそういう立ち位置を作ったかと言うと、
1つは適合値が低くダイアやメノウが失敗作と見捨てた下位被検体たちを処分させないため。自分が子分をたくさん従えて好き放題してれば大人しい暴力的な人間を演じることで、下位被検体たちにはラーヴァの機嫌取りという役割が出来るから周りの大人たちから廃棄処分されづらくなる。
2つ目として、上記にかかることとして弱い仲間を匿うことに対してRYUGUの大人の目を欺く事。ラーヴァのテリトリーでは下位被検体もラーヴァが高適応値で得た栄養価のの高い配給や娯楽を横流す、通称「施し」によって案外ちゃんとした生活が出来ている、にも関わらず大人たちはそこにノータッチというか把握していない。ラーヴァが苛烈な暴君で怒らせると力が強いので面倒、しかし思考が単純で御しやすい乱暴者という存在だとRYUGUの学者に認識させておけばある程度のワガママが通用するわけだ。庇護されている下位被検体たちについても乱暴者の機嫌を損ねるくらいなら壊されてもいい失敗作を与えて置こう的な考えになり、どうせあいつに殺されていると記録もあいまいになってしまうわけだ。この辺は研究者の怠慢もある。
3つ目に序列1位の座を狙うことは、RYUGU内権力を握りたい野心ではなくメノウを被検体として完成させないため。冷静に考えてメノウが完全にダイア施設長の望む存在へと進化を遂げればラーヴァをはじめ全ての被検体は用済みになってしまう。自分と仲間の命を守るために何としてでも序列1位になり、かつ1位の地位を死守しながら化け物に完成させられることを抗おうとした。自己犠牲色が強い。
現状を根本から変えるまでの力は少年のラーヴァには無いんだけど、閉鎖された空間で極力大多数で生き延びることが出来るよう足掻いていたんだよな、あの子も。
盲目に施設長しか信じない程心が壊れていたメノウ、全てを諦めてメノウの完成を待っていたルーミナ、自分が助かること以外考えられない位追い詰められていたセラナイト。彼ら上位たちと比べてラーヴァが一番全体を見て動いていたと思う。
ただラーヴァ自身もまた少年なので、見えないところで背伸びし続けて無茶もして心身傷ついているし、彼の努力を真っ向から認めたり分かって伝えてくれる人はおらんかった。そこにエルさん(デガート)が気づいて、頑張る君は皆のヒーローだねと傷ついた両拳にハンカチを巻いてくれたわけだ。惚れるわな~(確定失恋の男)ただ顔が好みだったわけじゃないのだ。